猫のネギ中毒

猫のネギ中毒の原因
猫のネギ中毒の症状
ネギ中毒の治療と経過


猫のネギ中毒

 

犬や猫を飼っている方から、「ネギを食べてしまった」という相談を受けることが稀にあります。ネギ中毒という名前ですが、我々の食卓に並ぶネギやタマネギの他、ニンニク、ニラ、ラッキョウ、エシャロットなどもネギ属です。また、そのような食材を猫が食べてしまうことによって起こる症状や経過を知っておくことが大切です。

 

ネギ中毒の原因

これらネギ属の中でもタマネギとニンニクが毒性が強いとされ、犬より感受性の強い猫では5g/kgの量のタマネギを摂取するだけでも充分に危険であるとされています。
(※5kgの猫であれば25gのタマネギ)
また、加熱調理や乾燥加工されていても発症するとされているため注意が必要です。

 

ネギ中毒の症状

原因食品を摂取してから1日から数日で症状が現れるとされています。症状の種類としては、嘔吐や下痢、腹部痛、食欲低下、活動性の低下、脱水などが初期に観察されるとされています。また、貧血が進行すると呼吸数や心拍数の増加、粘膜蒼白などもみられ、重症なケースでは死亡する例もあります。
主に2週間程度経過すれば安心です。

 

治療と経過

ネギ中毒に特化した解毒方法などはありません。そのため、一般的な中毒と同様に摂取から数時間以内であれば胃洗浄や催吐処置が有効です。時間が経ってしまってからは急性腎障害などの予防に静脈点滴や抗酸化作用のある投薬(有効性は不明確)が推奨されます。
摂取から二週間を過ぎ、腎障害などの慢性化に注意すれば良好に回復することが可能と思われます。

ネギを食べてしまった時は、まずは吐かせることが有効です。すぐに症状の出る中毒ではないので、様子を見ず早めに獣医師に相談しましょう。

 

※参考文献:猫の治療ガイド2020. 2020,8,1.p100-101

記事執筆者
長江嶺(金乃時アニマルクリニック・獣医師)
略歴:東京都内の動物病院、神奈川県内の動物病院の勤務医を経て、現在は横浜市を診療エリアとする往診専門の動物病院を運営しています。詳しいプロフィールはこちらです。

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